保冷。
日が経つとどんな食べ物でも傷んでしまう。
今も昔も変わることがないフィロソフィー。
人類が誕生した日から500万年、命を繋ぐため、叡智を結集させ、食料の鮮度保持を磨いてきました。
この記事では長い歴史が生んだ令和時代の最先端保冷技術に迫っていきます。
先ず、クーラーボックス、クーラーバッグに使用される断熱材を一覧で紹介します。
断熱材と保冷力の関係図
ハード=クーラーボックス、ソフト=クーラーバッグ
断熱材 | 保冷力 | 使用クーラー |
---|---|---|
アルミニウム | ✖ | ソフト |
ステンレス | ✖~△ | ハード |
ポリエチレン | ✖~△ | ソフト |
スチロール | △~〇 | ハード |
ポリウレタン | 〇~◎ | ハード、ソフト |
真空断熱 | ◎~◎◎ | ハード |
記事中では、化学的観点から断熱材の特徴をより詳しく掘り下げています。
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Webライター
小次郎
You
元ラグビー部の有機化学者。土のミネラルや芝の香りはお手のもの。何でもかんでも薫ってしまう臭いフェチ。
クーラーボックス、バッグの違い
保冷を叶えるアイテムの代表として「クーラーボックス」、「クーラーバッグ」があります。
先ずはそれぞれの特徴を見ていきましょう。
クーラーボックスとは
・プラスチック製の保冷ボックス
・頑丈で、重量感があり、大容量可
・断熱材の量が多い
・保冷力に優れ、数日間の保冷も可能
クーラーバッグとは
・保冷シートが重なった構造をもつバッグ
・柔らかく、軽く、持ち運びしやすい
・使用しない時は折り畳んで収納できる
・ファッショナブルで、お気軽に使える
え?この程度の説明では、ここから先のブログを読む意味がないって?
他のブログの方が豊富な商品レビューがあっていいって?
この程度で終われるわけがあろうものか。
私は国内有数の材料メーカー出身の技術者であるぞ。
今から、クーラーボックスとクーラーバッグの大きな違いである断熱材と保冷力の関係について迫っていきます。
断熱材と保冷力の関係
断熱材と保冷力の関係図
ハード=クーラーボックス、ソフト=クーラーバッグ
断熱材 | 保冷力 | 使用頻度 |
---|---|---|
アルミニウム | ✖ | ソフト |
ステンレス | ✖~△ | ハード |
ポリエチレン | ✖~△ | ソフト |
ポリスチレン | △~〇 | ハード |
ポリウレタン | 〇~◎ | ハード、ソフト |
真空断熱 | ◎~◎◎ | ハード |
クーラーボックス、クーラーバッグに使われる断熱材と保冷力の関係を示しました。
表の下に行くほど保冷力は高いです。
それなら、表の下の方の断熱材のクーラーボックスを買ったらいいじゃない?
その通りですが、保冷力は断熱材と厚みや構造など複合的な要素で決まりますので注意が必要です。
しかも!!表の下に行くほど、高価なんです💦
自分の使用場面に必要な保冷力から考えましょう。
キャンプや日帰りの釣りなどでは、ウレタン素材以上のクーラーボックスがおすすめです!
当サイトおすすめのクーラーボックス、クーラーバッグは下記リンクから見ていただけます。
保冷力と断熱性能の関係
素材の熱伝導率と厚みによって、断熱性能は決定します。
断熱性と保冷力、その他パラメーターの関係は下図です。
熱伝導(低)+ 素材(厚)=断熱性(良)→保冷力(高)
熱伝導(高)+ 素材(薄)=断熱性(悪)→保冷力(低)
さらに、断熱性能についてわかりやすく画像付きで解説します。
断熱性能とは
断熱性とは、「熱の伝わりやすさ」を表します。
すなわち、 断熱性が良い=熱が伝わりにくい→保冷力が高い
断熱性が良くない=熱が伝わりやすい→保冷力が低い
わかりやすいように、以下を見てください。
写真のどの服装が断熱性能が高いでしょうか?
答えは、侍、西洋ナイト、女性の順番です。
侍と女性は布の厚みが異なり、侍の服装が断熱性が高いです。
西洋ナイトは金属を着用していて、熱が伝わりやすく侍より断熱性は低くなります。
このように断熱性は素材の熱の伝わりやすさと厚みで決まります。
熱の伝わり方(熱伝導率)と素材の重さ、保冷力と価格を表にしました。
比重は数値が大きいほど重く、熱伝導率は数値が大きいほど熱が伝わりやすくなります。
断熱材 | 保冷力 | 価格 | 比重 (g/cm3) |
熱伝導率 (W/m・K) |
---|---|---|---|---|
アルミニウム | ✖ | △ | 2.7 〇 | 236 |
ステンレス | ✖~△ | ✖ | 7.9 ✖ | 16.7-20.9 |
ポリエチレン | ✖~△ | 〇 | 0.9 ◎ | 0.41 |
ポリスチレン | △~〇 | ◎ | 1.05 ◎ | 0.03 |
ポリウレタン | 〇~◎ | 〇 | 1.2 ◎ | 0.30 |
真空断熱 | ◎~◎◎ | ✖ | 1.3 ◎ | 0.0241 |
熱伝導率の悪い素材が分厚く入ってたら断熱性が最強です。
しかし、高い断熱性を追求すると、分厚い断熱材が必要となり、重量が大きくなります。
一方、軽さを追求すると、使用する素材を軽減する必要があり、断熱性は損なわれます。
断熱性の確認問題です。
どの服装が断熱性能が高いでしょうか?
金属は熱を伝えやすい上に薄いので、右の女性の断熱性が高いです。
クーラーボックスとクーラーバッグの素材選択
熱伝導率と比重などの要素に加え、材料の特徴も選定のポイントになります。
耐水性、耐久性はもちろん、加工性も重要です。
このようにメーカーの技術者たちによって、考え抜かれて生を授かったものこそ、「クーラーボックス」と「クーラーバッグ」です。
断熱材と使用場面
断熱材 | 保冷力 | 使用する場面 |
---|---|---|
アルミニウム | ✖ | 近所1時間以内 |
ステンレス | ✖~△ | キャンプ |
ポリエチレン | ✖~△ | 近所~ピクニック |
ポリスチレン | △~〇 | 日帰りキャンプ、釣り |
ポリウレタン | 〇~◎ | キャンプ、釣り |
真空断熱 | ◎~◎◎ | キャンプ、釣り |
あくまで参考にしてください。
断熱材の厚みで保冷力は大きく変わります。
しかし、保冷力を求める方はポリウレタン以上を選びましょう。
まとめ
断熱材と保冷力の関係について、いかがでしたか?
・断熱材の種類で保冷性能が変わる
・求める保冷力に応じて、断熱材の厚みを調整する
この2点を知っていると、あなたはクーラーボックスウンチクで一目置かれるかもしれませんね。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。
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